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Partition Manager ヘルプ

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起動と停止

目次
索引
支援情報
概要
パーティション機能
起動と停止
コンプレックススコープ
パーティションスコープ
セルスコープ
I/Oシャーシスコープ
アクション
ステータスインジケータ
メッセージ
リリースノート
Partition Managerについて
用語集
ヘルプの使い方
 Partition Managerのコンポーネント
 parmgrコマンド
 HP System Management Homepageからの起動
 HP Systems Insight Managerからの起動
 SAMからの起動
 ユーザー認証
 セッションのタイムアウト
 WBEMサービス
 SSL証明書の管理
 nPartition構成権限
 IPフィルタとファイアーウォール
 Bastille
 パフォーマンスの問題

Partition Managerは、以下のいずれかの方法で起動できます。

このヘルプページでは、上記の各方法について簡単に説明します。 マンページとその他の関連ドキュメントの参照については、支援情報ヘルプトピックを参照してください。

Partition Managerのコンポーネント

Partition Managerは、Tomcatベースのサーブレットエンジン内で動作します。 HP-UXでは、TomcatベースのサーブレットエンジンはHP-UX Web Server Suiteのコンポーネントです。 Microsoft® Windows®では、HP System Management HomepageのためにJSP/サーブレット コンテナによって提供されます。 Partition Managerが起動すると、HP System Management Homepageによってサーブレットエンジンも自動的に起動します。

Partition Managerは、HP WBEMサービスを使用して、nPartitionプロバイダからnPartitionの情報を取得します。 WBEMサービスはHP-UXのCIMサーバーとMicrosoft® Windows®のWMIによって提供されます。 CIMサーバーの構成と実行については、下のWBEMサービスのセクションを参照してください。 ローカルコンプレックスのサービスプロセッサとの対話はIPMI BT(IPMI Block Transfer)インタフェースを介して行われます。 リモートコンプレックスとの対話は、IPMI over LANインタフェースを介して行われます。 追加情報については、下のユーザー認証のセクションを参照してください。

Partition Managerとユーザーとのやり取りは、クライアントシステムで実行されているWebブラウザを介して行います。 クライアントシステムは、サーバーシステムと同じシステムでも、別のワークステーションまたはPCでも構いません。 Partition ManagerでサポートされるWebブラウザは限定されます。 HP-UX 11i v1 (B.11.11)やHP-UX 11i v2 (B.11.23)を実行しているワークステーションおよびサーバーでは、オペレーティング環境バンドルでインストールされるデフォルトのWebブラウザがサポートされます。 PCの場合、Microsoft® Internet Explorerバージョン6.0およびNetscapeバージョン7.0がサポートされます。

Partition Managerは、partition(1)コマンドを使用して、管理機能を実行します。

parmgrコマンド

HP-UXで、/opt/parmgr/bin/parmgrコマンドはHP System Management Homepageと、Partition Managerを実行するクライアントのWebブラウザを起動します。Partition Managerが起動すると、HP System Management Homepageは自動的にTomcatベースのサーブレットエンジンを起動します。 図 1ではコマンド構文を、表 1ではコマンドオプションの概要を説明します。 parmgrコマンドの完全な説明については、parmgr(1M)マンページを参照してください。

Microsoft® Windows®でparmgrコマンドは利用できません。 TomcatベースのサーブレットエンジンはHP System Management Homepageによって自動的に起動されます。

図 1  parmgrコマンド構文

parmgr [-h] [-F] [-b]

parmgr -t create [-F] [-b]

parmgr -t modify -p nPartition_id [-F] [-b]

parmgr -t par_details -p nPartition_id [-F] [-b]

parmgr -t cell_details -c { cab_num/slot_num | global_cell_num } [-F] [-b]

parmgr -t io_details -i cab_num/bay_num/chassis_num [-F] [-b]

parmgr -t complex_details [-F] [-b]

クライアントのWebブラウザが立ち上がってない場合、parmgrコマンドによって起動されます。 Webブラウザがデフォルト以外の場所にインストールされている場合、ブラウザへのパスをBROWSER環境変数に設定する必要があります。 XウィンドウシステムでWebブラウザの表示を管理している場合、Xサーバーのディスプレイ名をDISPLAY環境変数に設定する必要があります。

Webブラウザがすでに実行されている場合、parmgrは現在のWebブラウザウィンドウを使用しようとします。 Webブラウザにはログイン画面が表示されます。 ログインおよびユーザーの認証が終了すると、Partition Managerが起動します。

表 1  parmgrコマンドオプション(概要)

-h コマンドのパラメータについてのヘルプを表示します。
-Fparmgrが、Xサーバーとクライアント間の通信が保護されているかを判断できない場合でも、クライアントのWebブラウザを強制的に使用します。 このオプションを指定しなければ、XサーバーとクライアントのWebブラウザ間のセキュリティが確認できたときにのみ、Partition ManagerがWebブラウザを起動します。
-bAdministrator (root)パーミッションを保有してログインしている場合、HP System Management Homepageの認証をバイパスします。

HP-UX 11i v1でこの機能を使用するためには、HP Software Depotで利用可能なKRNG11i (Strong Random Number Generator software for HP-UX 11i v1)をインストールする必要があります。

-t action_name action_options 指定したPartition Managerツールを起動します。 通常、Partition Managerはコンプレックススコープのハードウェアビューから開始されます。 このオプションを使用してPartition Managerを異なるビューやアクションから開始することができます。

 

HP System Management Homepageからの起動

手順 1  Partition ManagerをHP System Management Homepageから起動します。

  1. Webブラウザに、Partition ManagerがインストールされたサーバーのHP System Management HomepageのURLを入力します。

    http://server-hostname:2301/

    server-hostnameは、サーバーのホスト名です。

    HP System Management Homepageの自動起動を無効にしている場合は、まずHP System Management Homepageを起動する必要があります。 詳細はsmhstartconfig(1M)を参照してください。

  2. HP System Management Homepageにログインします。

  3. Toolsメニューを選択します。

  4. nPartition Managementツールのリストから次のいずれかの項目を選択します。 Partition ManagerはHP System Management Homepageポータルのワークスペースとして動作します。

    • View and Manage Complex.  HP System Management Homepageが実行しているコンプレックスの、コンプレックススコープのハードウェアビューが表示されます。

      nPartitionでHP System Management Homepageが実行していない場合、このメニューを選択したあとで、管理対象のコンプレックスやnPartitionへのログインを促されます。 詳細は、以下のユーザー認証を参照してください。

    • View and Manage Remote Complex.  管理対象のコンプレックスやnPartitionへのログインを促されます。 詳細は、以下のユーザー認証を参照してください。

HP Systems Insight Managerからの起動

手順 2  Partition ManagerをHP Systems Insight Managerから起動します。

  1. Webブラウザに、Partition ManagerがインストールされたサーバーのHP Systems Insight ManagerのURLを入力します。

    http://server-hostname:280/

    server-hostnameは、サーバーのホスト名です。

  2. HP Systems Insight Managerにログインします。

  3. ConfigurePartition Managementメニューから、次のいずれかの項目を選択します。 管理対象のシステムを選択するように促されます。 選択できる管理対象は一つだけです。 Partition ManagerはHP Systems Insight Managerポータルのワークスペースとして動作します。

SAMからの起動

手順 3  Partition ManagerをHP-UXのSAMから起動します。

  1. sam(1M)コマンドを使用してSAMを起動します。

  2. メイン画面から、[Partition Manager]エリアを選択します。 SAM-Fオプションを指定してparmgrコマンドを実行します。 クライアントWebブラウザがすでに実行されている場合、parmgrは現在のWebブラウザウィンドウを使用しようとします。

  3. Webブラウザには初めにログイン画面が表示されます。 ログインおよびユーザー認証(必要な場合)の後、Partition Managerはコンプレックススコープのハードウェアビューを表示します。 ただし、Partition Managerによりコンプレックスに存在する潜在的な構成の問題が検出された場合には、初めにコンプレックス稼動状態の解析アクションが表示されます。

ユーザー認証

Partition Managerへのアクセスは、ユーザーが特権ユーザーであるか、非特権ユーザーであるかによって異なります。 非特権ユーザーは、情報の表示のみ行うことができ、リモートnPartitionやその所属先のコンプレックスを変更するタスクはいずれも実行できません。 特権ユーザーはPartition Managerのすべてのタスクを実行できます(特権ユーザーに適用される制限事項については、nPartition構成権限ヘルプトピックを参照してください)。

WebブラウザがPartition Managerに接続される際に、ユーザーの身元が以下の2つの段階で認証されます。

  1. ログイン画面で、ユーザー名とパスワードが求められます (Partition ManagerがHP System Management HomepageまたはHP Systems Insight Managerから起動されている場合、このレベルの認証は起動時に行われています)。 ローカルnPartition上で実行している場合、Partition Managerがこの後すぐに起動します。 ユーザー名がローカルシステムの特権ユーザーのものであれば、このユーザーに特権アクセスが与えられます。

  2. Partition ManagerをローカルnPartition上で実行していない場合、ユーザーはリモートシステムにアクセスするための証明書をさらに提示する必要があります。 2つの選択肢が示されます。

    リモートnPartition.  リモートnPartition (およびその所属先のコンプレックス)を管理するには、nPartitionのホスト名またはIPアドレス、リモートnPartitionで認識されるユーザー名、およびそのユーザー名のパスワードを提供する必要があります。 ユーザー名のデフォルトは、ログイン画面で入力されたユーザー名になります。 このフィールドに入力した後、[リモートnPartitionに接続]をクリックします。

    Partition Managerは、入力されたユーザー名とパスワードを使用し、WBEMを介してリモートnPartitionと通信します。 ユーザー名がリモートnPartitionの特権ユーザーのものであれば、このユーザーには特権アクセスが与えられます。

    WBEMユーザー名とパスワードがコンプレックス内のすべてのnPartitionで有効ではなかった場合、Partition Managerは他のnPartitionから一部の情報を取得できなくなります。 コンプレックスの管理を容易にするために、コンプレックスのすべてのnPartitionで同一のWBEMユーザー名とパスワードのセットを使用してください。

    リモートのパーティション対応コンプレックス.  IPMI over LANを使用してリモートコンプレックスを管理するには、リモートコンプレックス上のサービスプロセッサのホスト名とIPアドレス、およびそのサービスプロセッサのIPMIパスワードを入力する必要があります。 (IPMIパスワードは、サービスプロセッサにログインしてCommandメニューからSOコマンドを実行することにより、設定または変更できます)。 このフィールドに入力した後、[リモートコンプレックスに接続]をクリックします。

    このオプションを使用して接続しようとしたときにエラーが報告された場合、リモート サービスプロセッサでIPMI over LANアクセスが無効にされていないかどうかチェックしてください。 IPMI over LANによるコンプレックスへのアクセスは、サービスプロセッサにログインしてCommandメニューからSAコマンドを実行することにより、有効または無効にできます。

Partition Managerからは、[ツール][コンプレックスの切り替え]アクションを使用して、これらの選択画面を表示できます。 ここで、別の管理対象のコンプレックスを選択できます。

セッションのタイムアウト

HP System Management Homepageでアクティビティが約30分間実行されない場合、セッションは終了します。 続行するには、再度ログインする必要があります。

手動でセッションを終了するには、HP System Management Homepageからログアウトします。これは、Partition Manager画面の上部右側に表示されるログオフをクリックします。

WBEMサービス

HP-UX上のCIMサーバーは、HP WBEMサービス用のCommon Information Modelを実装しています。 CIMサーバーはnPartitionプロバイダからnPartitionの情報を取得します。

Microsoft® Windows®では、WMI (Windows Management Instrumentation)がPegasus/WMI Mapperサービスを使用してこれらのサービスを実装します。 nPartitionプロバイダWMI nPar プロバイダサービスによって実装されます。

ローカルコンプレックスを管理するためnPartitionでPartition Managerが実行している場合、WBEMサービスプロバイダがローカルnPartitionで実行されている必要があります。

Partition ManagerがIPMI over LANを介してリモートパーティション対応システムに接続されている場合、WBEMサービスプロバイダはPartition Managerが実行されているシステム上で実行されている必要があります。

Partition ManagerがWBEMを介してリモートnPartitionに接続されている場合、WBEMサービスプロバイダはリモートnPartitionで実行されている必要があります。 この方法で接続するためには、以下の追加構成手順の実行が必要な場合があります。

  1. 特権ユーザーとして接続するには、リモートnPartitionで実行されているWBEMサービスプロバイダ上でenableRemotePrivilegedUserAccessパラメータをtrueに設定する必要があります。 これはデフォルトの設定ですが、システム管理者によって変更されている可能性があります。 HP-UX上でこのパラメータの設定をチェックまたは変更するには、cimconfig(1M)コマンドを使用します。 構成の変更を行った後は、CIMサーバーを再起動してください。 Windowsの場合、%PEGASUS_HOME%\cimserver_planned.confファイルを編集してからPegasus/WMI Mapperサービスを再起動してください。

    特権ユーザー以外で接続している場合、Partition Managerでは情報の表示のみ可能です。 リモートのnPartitionまたはその所属先のコンプレックスを変更するタスクは実行できません。

  2. Partition Managerは、クライアントとWBEMサービスプロバイダの接続にSecure Socket Layer (SSL)を使用します。 WBEMサービスプロバイダのSSL接続が有効になっている必要があります(enableHttpsConnectionパラメータがtrueに設定されている必要があります)。 HP-UX上でこのパラメータの設定をチェックまたは変更するには、cimconfig(1M)コマンドを使用します。 構成の変更を行った後は、CIMサーバーを再起動してください。 Windowsの場合、%PEGASUS_HOME%\cimserver_planned.confファイルを編集してからPegasus/WMI Mapperサービスを再起動してください。

  3. デフォルトでは、Partition ManagerはSSL接続で使用される証明書を検証します。 これは、クライアントの証明書トラストストアに、リモートnPartitionのサーバー証明書が存在しなくてはならないことを意味します。 証明書のエクスポートとインポートの手順については、下のSSL証明書の管理のセクションを参照してください。

    お使いの環境に証明書の検証によるセキュリティの追加が必要でない場合、この機能を無効にすることができます。 CIMプロパティファイルを編集してください。

    [Windows:]
    C:\hp\hpsmh\tomcat\webapps\parmgr\WEB-INF\lib\cim.properties

    [HP-UX:]
    /opt/hpsmh/tomcat/webapps/parmgr/WEB-INF/lib/cim.properties

    ファイルの以下の行にあるコマンドプレフィックス(//)を削除します。

    //TrustManager=org.snia.wbemcmd.xml.DontValidateCertificate

WBEMサービスプロバイダの構成の詳細については、cimconfig(1M)cimserver(1M)のマンページを参照してください。

SSL証明書の管理

Partition ManagerでのSSL証明書の検証を有効にするには、接続先とするリモートnPartition上のWBEMサービスプロバイダからサーバー証明書をエクスポートし、それらの証明書をPartition Managerが動作するnPartition上のキーストアにインポートする必要があります。 以下の手順に従ってください。

手順 4  WBEMサービスプロバイダから証明書ファイルを入手します。

  1. 接続先とするリモートnPartitionにWBEMサービスプロバイダ証明書ファイル(cert.pem)を配置します。 正しいファイルは、WBEMサービスプロバイダの構成ファイルで確認できます。

    [Windows:] %PEGASUS_HOME%\cimserver_current.conf
    [HP-UX:]   $PEGASUS_HOME/cimserver_current.conf 

    サーバーの証明書ファイルの場所はsslCertificateFilePathで設定できます。 通常は次のように設定します。

    [Windows:] C:\hp\sslshare\cert.pem      
    [HP-UX:]   /etc/opt/hp/sslshare/cert.pem

    sslCertificateFilePathを設定しなかった場合、サーバーの証明書ファイルはデフォルトで次のようになります。

    [Windows:] %PEGASUS_HOME%\server.pem
    [HP-UX:]   $PEGASUS_HOME/server.pem 
  2. 手順1で配置した証明書ファイル(cert.pemまたはserver.pem)をクライアントシステムにコピーします。

    証明書ファイルをクライアントシステムのテンポラリディレクトリ(sslshareではありません)にコピーします。 クライアントシステムのsslshareディレクトリにある既存のcert.pemファイルやserver.pemファイルを上書きしないでください。

手順 5  クライアントでの証明書ファイルのインポート

  1. 証明書をPartition Managerのキーストアにインポートします。

    [Windows:]
    %JAVA_HOME%\bin\keytool -import \
      -alias server_hostname \
      -file cert.pem \
      -keystore %SystemDrive%\hp\sslshare\parmgr.keystore
    
    [HP-UX:]
    $JAVA_HOME/bin/keytool -import \
      -alias server_hostname \
      -file cert.pem \
      -keystore /etc/opt/hp/sslshare/parmgr.keystore

    入力を求められたら、キーストアへパスワードを入力します。 parmgr.keystoreファイルが存在しないと(初めて証明書をインポートするとき)、コマンドは新しいキーストアファイルを作成します。 この場合、入力したパスワードがキーストアに割り当てられます。

    パスワードを忘れないようにしてください。 証明書をキーストアにインポートすると、その後はパスワードが必要になります。

  2. Partition Managerで使用されるpartition(1)コマンドの証明書の検証を有効にするには、cert.pemの内容を次のファイルの最後に追加します。

    [Windows:] %SystemDrive%\hp\sslshare\client.pem
    [HP-UX:]   /var/opt/wbem/client.pem
  3. Microsoft® Windows®では、「HP System Management Homepage」サービス(SysMgmtHP)を再起動するか、Windowsを再起動してください。

nPartition構成権限

Partition ManagerがローカルnPartitionで実行されている場合、またはWBEM経由でリモートnPartitionに接続されている場合、コンプレックス上で各構成操作を実行できるかどうかは、nPartition構成権限によって決まります。 詳細については、nPartition構成権限トピックを参照してください。

IPフィルタとファイアーウォール

IPフィルタとネットワークファイアーウォールは特定の種類の着信および送信パケットをブロックします。 これらの製品を使用する場合、以下の条件が満たされていることを確認してください。

  1. ポート2301と2381が無効になっていないこと。 これらのポートはWebブラウザからHP System Management Homepageを起動するときに使用します。

  2. WBEMが使用するポートが無効になっていないこと。 Partition ManagerはすべてのWBEM要求をポート5989に送信します。Partition Managerに応答を返すために使用するポートは、応答の受信時にカーネルによってネゴシエートされます。 Partition ManagerはWBEMが無効になっていると使用できません。

HP-UXのIPフィルタ機能の詳細については、ipf(8)を参照してください。

Bastille

Bastilleは、HP-UXホストのセキュリティを向上する、システム強化プログラムです。 デーモン、システム設定、およびファイアウォールを、よりセキュアに構成します。 Bastilleは、rcp(1)rlogin(1)などの不要なサービスやツールをシャットオフすることができ、WebサーバーやDNSなどの共有インターネットサービスの脆弱性を抑制するのに有効です。

Bastilleはシステムをロックダウンするための機能の1つとして、IPフィルタ機能を使用します。 Partition ManagerでIPフィルタ機能を使用する際の必要条件については、前のセクションを参照してください。 Bastilleの対話型ユーザーインタフェースを使用する場合、Bastilleからの問い合わせに応答する際に、これらの問題に留意してください。

また、Bastilleには、/etc/opt/sec_mgmt/bastilleにある以下のファイルが表す、3つのインストール時セキュリティオプションがあります。

HOST.config

ホストベースのロックダウン。IPフィルタの構成は必要ありません。 この構成の使用は、Partition Managerに影響しません。

MANDMZ.config

非常に強固なロックダウン。ただし、一般的な管理プロトコルおよびツールが使用するために選択したネットワークポートは開いたままです。 たとえば、この構成を使用してもWBEMは引き続き機能します。

この構成でPartition Managerを起動するには、SSHを使用するか、ポート2301と2381を有効にする必要があります。

ポート2301と2381が無効になっているシステムでPartition Managerの起動を有効にするには、次のようなエントリを追加してIPフィルタを調整します。

pass in quick proto tcp from any to any port = 2301
flags S/0xff keep state keep frags

pass in quick proto tcp from any to any port = 2381
flags S/0xff keep state keep frags
                

をBastilleの実行前に/etc/opt/sec_mgmt/bastille/ipf.customrulesに追加します。

詳細については、ipf(5)を参照してください。

DMZ.config

強固なロックダウン。 この構成でPartition Managerを起動するには、SSHを使用する必要があります。

Bastilleを設定すると、Bastilleがインストールされているシステムを、Partition Managerを使ってリモートで管理する場合にも影響を及ぼします。 HOST.configMANDMZ.config構成を使用している場合、証明書の通常のやり取りが行われた後にPartition Managerは上で述べたように動作します。 しかし、 DMZ.config構成がWBEMトラフィックをブロックするため、Partition Managerはシステムをリモートで管理することができません。

Bastilleの詳細については、bastille(1M)および『Bastille User Guide』(/opt/sec_mgmt_bastille/docs/user_guide.txt)を参照してください。

パフォーマンスの問題

Tomcatベースのサーブレットエンジンの起動または再起動後、Partition Managerの各ビューを初めて表示するときに、大幅な遅延が発生することがあります。 これは、Java Server Pagesの初期コンパイルが原因です。 指定したビューが一度表示されると、次回以降のそのビューの表示は初回よりずっと早くなります。

リモートのパーティション対応コンプレックスを管理する場合、ネットワーク接続が長距離にわたっていると(たとえば、カリフォルニアにあるパーティション対応コンプレックスをニューヨークのシステムから管理する場合)、パフォーマンスが低下します。 さらに、リモートシステムを管理する際は、リモートシステムのサービスプロセッサに直接接続するよりも、リモートnPartitionに接続したほうがパフォーマンスを向上できます。

リモートシステムを管理する際、可能なパフォーマンス向上を実現するには、WebブラウザをローカルXサーバー上でリモートで実行するのではなく、ローカルシステムで実行します。

nPartitionプロバイダは、管理対象になっているシステムの情報をキャッシュに保持します。 このキャッシュはWBEMサービスプロバイダによるnPartition Providerのアンロード時に、消去されます。 パフォーマンスは、最初にシステムを管理するとき、またはWBEMサービスプロバイダを再起動した直後に低下することがあります。 同じシステムの後続の管理セッションは、これよりも速くなります。