5.6 array -- 効率のよい数値アレイ

このモジュールでは、基本的な値 (文字、整数、浮動小数点数) のアレイ (array、配列) を効率よく表現できるオブジェクト型を定義しています。 アレイはシーケンス (sequence) 型であり、中に入れる オブジェクトの型に制限があることを除けば、リストとまったく同じように振 る舞います。オブジェクト生成時に一文字の型コード を用いて型を指 定します。次の型コードが定義されています:

型コード C の型 Python の型 最小サイズ (バイト単位)
'c' char 文字(str型) 1
'b' signed char int型 1
'B' unsigned char int型 1
'u' Py_UNICODE Unicode文字(unicode型) 2
'h' signed short int型 2
'H' unsigned short int型 2
'i' signed int int型 2
'I' unsigned int long型 2
'l' signed long int型 4
'L' unsigned long long型 4
'f' float float型 4
'd' double float型 8

値の実際の表現はマシンアーキテクチャ (厳密に言うとCの実装) によって決 まります。値の実際のサイズはitemsize 属性から得られます。 Python の通常の整数型では C の unsigned (long) 整数の最大範囲を表せな いため、'L'と'I' で表現されている要素に入る値は Python では長整数として表されます。

このモジュールでは次の型を定義しています:

array( typecode[, initializer])
要素のデータ型がtypecodeに限定される新しいアレイを返します。 オプションの値initializerをわたすと初期値になりますが、 リスト、文字列または適当な型のイテレーション可能オブジェクトでなければ なりません。

バージョン 2.4 で 変更 された仕様: 以前はリストか文字列しか受け付けませんでした。 リストか文字列を渡した場合、新たに作成されたアレイのfromlist()、 fromstring()あるいはfromunicode()メソッド (以下を参照 して下さい) に渡され、初期値としてアレイに追加されます。それ以外の場合 には、イテレーション可能オブジェクト initializer は新たに作成 されたオブジェクトのextend()メソッドに渡されます。

ArrayType
arrayの別名です。撤廃されました。

アレイオブジェクトでは、インデクス指定、スライス、連結および反復といっ た、通常のシーケンスの演算をサポートしています。スライス代入を使うときは、 代入値は同じ型コードのアレイオブジェクトでなければなりません。 それ以外のオブジェクトを指定するとTypeError を送出します。 アレイオブジェクトはバッファインタフェースを実装しており、 バッファオブジェクトをサポートしている場所ならどこでも利用できます。

次のデータ要素やメソッドもサポートされています:

typecode
アレイを作るときに使う型コード文字です。

itemsize
アレイの要素 1 つの内部表現に使われるバイト長です。

append( x)
値x の新たな要素をアレイの末尾に追加します。

buffer_info( )
アレイの内容を記憶するために使っているバッファの、現在のメモリアドレス と要素数の入ったタプル(address, length) を返します。 バイト単位で表したメモリバッファの大きさは array.buffer_info()[1] * array.itemsizeで計算できま す。例えばioctl() 操作のような、メモリアドレスを必要とする 低レベルな (そして、本質的に危険な) I/Oインタフェースを使って作業する 場合に、ときどき便利です。アレイ自体が存在し、長さを変えるような演算を 適用しない限り、有効な値を返します。

注意: C やC++ で書いたコードからアレイオブジェクトを使う場合 (buffer_info の情報を使う意味のある唯一の方法です) は、 アレイオブジェクトでサポートしているバッファインタフェースを使う方が より理にかなっています。このメソッドは後方互換性のために保守されており、 新しいコードでの使用は避けるべきです。バッファインタフェースの説明は Python/C APIリファレンスマニュアル にあります。

byteswap( )
アレイのすべての要素に対して「バイトスワップ」(リトルエンディアンとビッ グエンディアンの変換) を行います。このメソッドは大きさが 1、2、4 およ び 8 バイトの値にのみをサポートしています。他の型の値に使うと RuntimeError を送出します。異なるバイトオーダをもつ計算機 で書かれたファイルからデータを読み込むときに役に立ちます。

count( x)
シーケンス中のx の出現回数を返します。

extend( iterable)
iterable から要素を取り出し、アレイの末尾に要素を追加します。 iterable が別のアレイ型である場合、二つのアレイは全く同 じ型コードをでなければなりません。それ以外の場合には TypeError を送出します。 iterable がアレイでない場合、アレイに値を追加できるような正しい 型の要素からなるイテレーション可能オブジェクトでなければなりません。 バージョン 2.4 で 変更 された仕様: 以前は他のアレイ型しか引数に指定できませんでした。

fromfile( f, n)
ファイルオブジェクトf から (マシン依存のデータ形式そのままで) n 個の要素を読み出し、アレイの末尾に要素を追加します。 n 個の要素を読めなかったときはEOFError を送出します が、それまでに読み出せた値はアレイに追加されています。 f は本当の組み込みファイルオブジェクトでなければなりません。 read()メソッドをもつ他の型では動作しません。

fromlist( list)
リストから要素を追加します。型に関するエラーが発生した場合にアレイが変 更されないことを除き、"for x in list: a.append(x)"と同じです。

fromstring( s)
文字列から要素を追加します。文字列は、 (ファイルから fromfile() メソッドを使って値を読み込んだときのように) マシン依存のデータ形式で表された値の配列として解釈されます。

fromunicode( s)
指定した Unicode 文字列のデータを使ってアレイを拡張します。アレイの 型コードは 'u' でなければなりません。それ以外の場合には、 ValueError を送出します。他の型のアレイに Unicode 型のデータ を追加するには、"array.fromstring(ustr.decode(enc))" を使ってくだ さい。

index( x)
アレイ中でx が出現するインデクスのうち最小の値 i を返しま す。

insert( i, x)
アレイ中の位置i の前に値x をもつ新しい要素を挿入します。 i の値が負の場合、アレイの末尾からの相対位置として扱います。

pop( [i])
アレイからインデクスがi の要素を取り除いて返します。 オプションの引数はデフォルトで-1 になっていて、最後の要素を取り 除いて返すようになっています。

read( f, n)
リリース 1.5.1 で撤廃されました。 fromfile()メソッドを使ってください。

ファイルオブジェクトf から (マシン依存のデータ形式そのままで) n 個の要素を読み出し、アレイの末尾に要素を追加します。 n 個の要素を読めなかったときはEOFError を送出します が、それまでに読み出せた値はアレイに追加されています。 f は本当の組み込みファイルオブジェクトでなければなりません。 read()メソッドをもつ他の型では動作しません。

remove( x)
アレイ中のx のうち、最初に現れたものを取り除きます。

reverse( )
アレイの要素の順番を逆にします。

tofile( f)
アレイのすべての要素をファイルオブジェクトfに (マシン依存のデータ形式そのままで)書き込みます。

tolist( )
アレイを同じ要素を持つ普通のリストに変換します。

tostring( )
アレイをマシン依存のデータアレイに変換し、文字列表現 (tofile() メソッドによってファイルに書き込まれるものと同じ バイト列) を返します。

tounicode( )
アレイを Unicode 文字列に変換します。アレイの型コードは 'u' でなければ なりません。それ以外の場合には ValueError を送出します。 他の型のアレイから Unicode 文字列を得るには、 "array.tostring().decode(enc)" を使ってください。

write( f)
リリース 1.5.1 で撤廃されました。 tofile()メソッドを使ってください。

ファイルオブジェクトfに、全ての要素を(マシン依存のデータ形式その ままで)書き込みます。

アレイオブジェクトを表示したり文字列に変換したりすると、 array(typecode, initializer) という形式で表現されま す。アレイが空の場合、initializer の表示を省略します。アレイが 空でなければ、typecode が 'c' の場合には文字列に、 それ以外の場合には数値のリストになります。 関数array() をfrom array import array で import して いる限り、変換後の文字列に逆クォーテーション(``)を用いると 元のアレイオブジェクトと同じデータ型と値を持つアレイに逆変換できること が保証されています。文字列表現の例を以下に示します:

array('l')
array('c', 'hello world')
array('u', u'hello \textbackslash u2641')
array('l', [1, 2, 3, 4, 5])
array('d', [1.0, 2.0, 3.14])

参考:

struct:モジュール
異なる種類のバイナリデータのパックおよびアンパック。.
xdrlib:モジュール
遠隔手続き呼び出しシステムで使われる外部データ表現仕様 (External Data Representation, XDR) のデータのパックおよびアンパック。.
The Numerical Python Manual
Numeric Python 拡張モジュール (NumPy) では、別の方法でシーケンス型を定義 しています。Numerical Python に関する詳しい情報は http://numpy.sourceforge.net/を参照してください。 (NumPy マニュアルの PDF バージョンは http://numpy.sourceforge.net/numdoc/numdoc.pdfで手に入ります。

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